チケット不正転売問題

チケット不正転売問題をめぐる現状と課題

近年、コンサートやスポーツイベント等の興行チケットがインターネット上の転売サイト等で不当に高額転売される事例が問題となっています。インターネット上の不当なチケット高額転売を現行法令で取り締まることは難しく、現状では法律によらない対策が実施されています。また、チケット高額転売の社会問題化や2019年にラグビーワールドカップ、2020 年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されることを受け、チケット転売に対する法規制を求められています。

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チケットを高額で転売したり、他人の余ったチケットを買い取ったりする「ダフ屋」行為は、公序良俗に反し、その売上げが暴力団等の反社会的勢力の資金源となってきたことから、これまで地方公共団体の迷惑防止条例によって取締りが行われ、その対策の効果も表面化してきました。
しかし、近年はインターネットを利用した、投機目的等の不当なチケット高額転売が社会問題となっています。興行チケットが、転売サイト等で高額で転売されることにより、消費者が額面価格でチケットを入手することが困難となり、収入の少ない若者が気軽に興行を楽しめる機会が失われるたり、消費者のチケットの購入回数や関連の物品購入が減少し、ひいては音楽やスポーツ等の業界の将来が危ぶまれるということも懸念されています。一方、ライブ・エンタテインメント市場の規模拡大、スポーツ産業の振興に向けた動き、さらにスポーツ界での大規模な国際大会が開催されることなどから、今後もチケットの需要は増加することも予想されます。チケット高額転売に対しては、関係業界において電子チケット化や額面価格での売買を原則とする公式転売サイトの設置、チケットの利用規約において転売禁止を規定し、転売防止のため厳格な本人確認を実施するなど様々な対策が実施されていますが、日本ではインターネット上のチケット転売そのものを規制する法令は存在しないことから、インターネット上のチケット転売の現行法令による取締りは困難となっています。
そこで、私も所属している「ライブ・エンタテインメント議員連盟」では、チケット高額転売を規制する議員立法「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律案」を取りまとめ、成立に向けた活動を続けています。自民党内では、内閣第一部会・文部科学部会・クールジャパン戦略推進特命委員会合同会議、政調審議会、総務会の手続きはすべて終え、各党に働きかけを行いましたが、残念ながら先の通常国会では成立には至りませんでした。
わが国が一般の人が普通の方法で興行チケットを購入でき、その収益がアーティストやスポーツ選手、スタッフに還元される国になることを目指し、秋の臨時国会では、他党からの理解を得ながら、この法案を是非とも成立させたいと思います。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。