法務委員会にて法律案について質問

本日は、法務委員会で、刑法等の一部を改正する法律案について、古川禎久法務大臣 をはじめ、政府に15分質問させていただきました。以下質問内容(問6は残念ながら時間切れ) 。これより帰阪します。

谷川とむ 法務委員会にて法律案について質問

さて、近年の我が国の犯罪情勢をみると、刑法犯の認知件数は、平成14年をピークに減少傾向にある。一方で、刑法犯により検挙された再犯者は、平成18年をピークに少しずつ減少傾向にあるものの、それを上回るペースで、初犯者が減少していることもあいまって、検挙人員に占める再犯者の比率は上昇している。令和2年は、現在の統計を取り始めた昭和47年以降最も高い49.1%。刑法犯により検挙された者の約半数を再犯者が占めている現状から、再犯防止対策は、刑事政策上の重要な課題であると考える。
問1.今般の法改正の目的は、再犯防止という非常に重要なものであると認識。なぜ、罪を犯した者の特性に応じたきめ細やかな指導・支援を行うことが、その者の改善更生・再犯防止につながるのか?また、罪を犯した者の特性に応じたきめ細やかな処遇を行うことができるよう、刑法や刑事収容施設法、更生保護法などを改正し、どのような制度を導入しようとお考えか?(古川法務大臣)
問2.社会復帰支援について
再犯防止のためには、受刑者に対する社会復帰支援は、非常に重要で、効果的であると考える。刑事施設における社会復帰支援の現状は如何でしょうか?また、本法律案で、社会復帰支援に関する規定を設けることによって、受刑者への現在の取組は変わるのか?(法務省・政府参考人)
問3.刑の執行猶予制度の拡充について
今般の刑法の改正には、再度の執行猶予を言い渡すことができる宣告刑を1年から2年に引き上げることとするとともに、初度の保護観察付執行猶予中の再犯に、再度の執行猶予を可能とする規定が設けられている。再び罪を犯しても再度の執行猶予が付くという不当な期待が生じ、執行猶予制度が有する(執行猶予中に罪を犯せば、刑事施設に拘置されるといった)心理的な再犯防止の担保的機能が大幅に低下するのではないかという懸念がある。このような懸念に対して、如何?(法務省・政府参考人)
問4.保護観察官・保護司の人員体制の強化・支援について
本改正によって、保護観察付執行猶予による保護観察対象者が増えることとなった場合、保護観察に携わる保護観察官・保護司の方々への負担増加が懸念される。人員体制の強化が必要であると考えるとともに、改正後の円滑な運用のためには、保護司活動のデジタル化を推進するなど、保護司の負担軽減や活動支援に取り組むことが重要。また、保護司の活動は、安全で安心な地域作りのための活動でもあり、地方公共団体からの支援が必要不可欠と考える。地方公共団体が保護司活動等への充実した支援を行うためには、国から地方公共団体への財政支援も必要と考えるが、その前提として、地方公共団体による保護司活動への支援の現状と課題がどうなっているか?(法務省・政府参考人)
問5.侮辱罪について
インターネット上での、様々なコメント等は、時に過熱しすぎることがある。それによって、傷つく人もいる。最悪の場合、命を落とす方もいる。
本改正の目的は、誹謗・中傷・侮辱の行為によって、命が失われる人・傷つく人・苦しむ人・悲しむ人を生じさせないこと。それが一番の目的であると考える。本改正で、法定刑の引き上げによって、ある程度の抑止力につながるのであれば、被害者を思うとき、異論が出なのではないかと思う。表現の自由が毀損されるとの意見も出ているが、表現の自由と侮辱の行為は、異なるものと考える。表現の自由と言っても、何を言ってもかまわないというわけではない。人を傷つけ、死に追いやるような表現は、決して許されるものではない。
また、本改正後もこれまで同様に、構成要件は、変わらない。処罰される範囲も広がらない。と政府は答弁しています。
一方で、野党の対案は、誹謗・中傷や目的などの新たな要件を設けています。「誹謗」・「中傷」という字句で、構成要件は明確に定められているのか?加害目的を要件としているため問題ないとするが、「度を超えた言葉」による誹謗中傷がなされた場合であっても、「加害の目的がなかった」と抗弁された場合には、加害目的誹謗等罪は成立するのか?(野党法案提出者)
問6.政府案では、これまで同様に、構成要件は、変わらない。処罰される範囲も広がらない。一方で、現行犯逮捕もなじまない。私人逮捕も行われることはほとんどない。と古川大臣が答弁。現行法では、抑止力が十分ではない。科料9,000円は軽すぎる。との意見があり、私も同じ気持ち。誹謗・中傷・侮辱の行為をしても、9,000円払えば、済む。例え、死に追いやっても。本改正によって、抑止力が強まるのであれば、改正すべきだと考える。その上で、処遇の充実や侮辱罪の法定刑の引き上げを含む、本法律案の成立に向けた、古川法務大臣の意気込みを最後にお聞かせ下さい。(古川法務大臣)
B!